俺はフジロックには行かなかったし、正直なところ、こういう状況の中、今年のフジロックに行った奴らは「バカなんじゃないのか?」くらいには思っている。しかし、それとは別にフジロックが開催されたこと、アーティストがそれに出演すること自体はなんつーか「仕方がない」と思っている。だって、彼らはそれを生業としていて、それをしなければメシを食って生きていけないからだ。そして、これは彼らに限ったことじゃなくて、飲食産業だったり、ライブハウスやクラブといった音楽産業だったり、性風俗産業にだって同様のことが言える。
日本は資本主義社会だから仕事をしてカネを稼ぐ必要がある。様々な状況があって仕事ができない状況に追い込まれている人に対して「じゃあ、別のことをすればいいんじゃない?」なんて言葉を投げかけることができるだろうか?何も考えずにそんなことを投げかけることができるやつは自分の血の色を確認してみたほうがいい。
感染拡大防止、というイシューにだけ着目するのならば、フジロックは開催されないほうがいいし、ライブハウスも飲食店も風俗店もすべて潰れてしまったほうがいい。だけど、それでは暮らしていけない人たちはたくさんいるし、何よりも我々は感染拡大防止のためだけに生きているわけじゃない。
こんなことはもうここ1年以上ずっと言われているから、わざわざ俺が今更書く必要もないはずだ。だけど、ツイッターやはてなブックマークを見ると想像力の無さすぎる言葉がそこらじゅうに溢れかえっていて、俺はうんざりしているんだ。