ここ最近、はてなブログ界隈のホットワードといえば「ミニマリスト」。いろんなブログなどで声高にミニマリストな生き方がどうのこうのと叫ばれているけれど、少なくとも現状のはてな界隈でのこのムーブメント*1を見る限りは典型的な「思想の消費」「ライフスタイルの消費」だと思う。ここでいう、消費とは「物質、思想、概念の本質やそれらが持つ機能を享受しているのではなく、それらが持つ記号性/意味性を享受している」ということを指す。簡単に言うと、自分自身のキャラ付けのためにモノを買ったり、思想を取り入れたりしている人、ということです。もちろんミニマリストを標榜している方々が全てそうではないと思うのだけれど、そういう人達が非常に多い印象。
僕はライフスタイルとしてのミニマリズムという概念について「モノの持つ本質を見極め、消費文化、消費社会、コーマシャライズされた物質文化から解脱する」という風に捉えている。上段で述べたような消費を行うのではなく、必要なモノ、本当に良いと思うモノのみを取り入れよう、というライフスタイルだと思う*2。そして、これに関しては僕もそうありたいと思う。記号性や意味性を取り入れたり、コマーシャルに刺激されて無駄なモノを買う、というのは非常に馬鹿らしい。そういう意味では実践はできていないけれども、僕もミニマリズムの信奉者であるのかもしれない。ただ、モノを買わない、モノを少なくするというのはミニマリズムというライフスタイルの一部ではあるけれど本質ではなく、重要なのは消費社会の否定であると思う。*3
ただ、先程も述べた通り、ここはてな界隈ではミニマリズムという概念は消費の対象となっている。消費を否定するミニマリズムを消費している、というのは皮肉なものだと僕は思う。今のはてなブロガー界隈で行われていることは一時期の「意識高い」の扱われ方と非常に似ている。今、ここにあるのはミニマリズム、ミニマリストではなく「ミニマリスト系」ばかりだと感じる。
さて、では思想や概念、ライフスタイルの消費が悪いことかと言えば、別にそうでもないと思う。誰だって何者かになりたがるし、もっと言うと記号化されたがっている。そういう欲は僕にも少なからずある。ただこういうのって、死ぬほどダサい。思想やライフスタイルの意図や本質を見極めることなく、その記号性や意味性を取り入れるという行為はクソダサい。所謂ファッションサブカルとかそういうのと変わらない。本人が良いと思おうがなんだろうが、僕はくそだせー、と思い続ける。
まあ、とりあえずミニマリズムの上澄みだけを掬っている奴らは下の2冊を100回くらい読め。
- 作者: ジャンボードリヤール,Jean Baudrillard,今村仁司,塚原史
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 1995/02
- メディア: 単行本
- 購入: 12人 クリック: 108回
- この商品を含むブログ (72件) を見る
- 作者: 國分功一郎
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2015/03/07
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (14件) を見る