生郎

先日、吉祥寺にある"(多分)日本で一番汚いラーメン屋"こと生郎が閉店した。去年の夏ごろに閉店の噂が広まったけれど、結局閉店することがなくてそのまま続いていくのかな、と思っていたら唐突に予告も何もなく閉店したので驚いた。別れというのは大抵の場合、サヨナラも言わずにやってくることが多い。「親孝行をしたいときに親は無し」とは良く言ったもので、「生郎を食べたいときに店は無し」みたいな感じだ。Twitterとかで「最後に行きたかったー」とか呟いている人を見たのだけれど、そういうのってもうどうしようもないよなー、と思う。メメントモリじゃないけれど、いつまでもあると思っているから「行っとけばよかったー」なんてことになる。まあ、これは僕も同じなのだけれど。いつか必ず無くなる、ということを常に思え、とまでは言わないけれど、どっかしらに頭に入れておいた方が良いよなー、と思った。好きな文章を書くブログとか、、、例えば、はてなの某コンビニ店長の文章はブログが消滅した今でも探せば読めるものは読めるけれど、キャッシュが切れていたり、魚拓を取ったりしていないものはもう読めない。「これは」と思ったやつはevernoteなりpocketなりに保存しておけばよかったなあ、なんて今でも思ったりする。ん?なんか話が違う気がするな。まあ、いいか。とりあえず、そんな感じ。なんにせよ、なにかしらの思い入れのある店がある人はマジでしょっちゅう通うくらいにした方が良いと思いますよ。ホント。ちょっと目を話したスキに別れも何も告げられることなく潰れたりするとすごく後悔するから。多分、僕はあと何十年か生きていくことになるのだけれど、その何十年の間にもう二度と生郎が食べられないな、と思うとショックというか、ちょっと愕然とするものがある。僕は旨いと思うけれど絶対万人受けするラーメンじゃない。だけど、その味や佇まいなんかは間違いなく唯一無二。そこでしか食べることができないラーメンだった。だけど、サヨウナラ。ラーメンだけじゃなくて麺を揉むオヤジの姿もやばいくらいに汚い店内も水道水100%の水もずっとかかっているTBSラジオも油で薄汚れたろくでなしBLUESも。サヨウナラ。

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生郎のオヤジはこれから何をするんでしょうか。もうラーメンはやんないらしいけれど、とりあえず元気に過ごしてほしい、と他人ながら思ったりする。

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「頼んでない人いいよ~」