今年読んでよかった本

あんまり今年は本読めなかった。というか、サボっていた。来年はもう少し読もう。ていうか、積読を崩さなければ。


反逆の神話:カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか

反逆の神話:カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか

チェコ好きさん(id:aniram-czech)が記事で紹介していて面白そうだな、と思って買ったんだけれどアタリだった。クールであるとかヒップであるとか、というのは見かけ上は消費社会へのカウンターっぽくみえるけれど、その実、まさに消費社会そのものじゃないか、というポイントは僕が思っていたこととがっちり当てはまる。それ以外にも色々と詰め込みまくられている(政治へのカウンターetc)ので、来年もう一回くらい読み返そうと思う。佐久間裕美子氏の『ヒップな生活革命』と併せて読むと良いかも。


たのしいプロパガンダ (イースト新書Q)

たのしいプロパガンダ (イースト新書Q)

わりと帯の「ほんとうに恐ろしい大衆扇動は、エンタメの顔をしてやってくる。」というのが全てといえば全てだな、と思った。強制的で退屈なプロパガンダは恐れるに足らない。プロパガンダの顔をしていないけれど裏の顔はプロパガンダなエンターテイメントにこそ注意すべき、という。現代日本のプロパガンダについても言及してくれていてよかった。


あなたのための物語

あなたのための物語

小説では今年読んだ中でこれが一番良かったかなー。長谷氏は短編集の『My Humanity』で知って、そちらも良かったんだけれど、本作のほうが心に突き刺さった。死と容赦なく徹底的に向き合わされる展開が続いていき、なんつうか、読んでいて「抉られる」感覚を覚えた。そしてこの物語が収束する最後の一節が良い、というか、そうだよなあ、と思い知らされた。