生活空間がちらっとだけ見えるのが好き

高架を走る電車に乗っていたり、高速道路で車に乗っていると、マンションとかアパートのカーテンの隙間から人が生活している様子がちらっと見えることがある。ホントに「ちらっ」でしかなくて、そこの家の人がどういう生活しているかとか、何食っているとか、何人で暮らしているっぽいとか全然わからない。でも、俺はこれが結構好きだ。電車から、車から、ちらっと人が生活している様子が見えるのが。いや、こういう風な書き方をするとなんか「覗き魔」的な感じに思われそうなのだけれど、別にそういうわけではない。なんというか、赤の他人であっても「ああ、営んでいるなー」って思えるとでも言えばいいのかな。そういうのが好きなんだ。

駄菓子屋とか、煙草屋とかだと、店に自宅がくっついているというか、自宅の一部で店をやっている、みたいなところが多い。店舗の奥に目をやると、テレビとちゃぶ台がある、みたいなところがあると思うのだけれど、こちらもすごく好きなんだよなあ。一階が店舗で二階が自宅、みたいなところもあるけれど、俺は一階に店舗と住居空間が混ざっている、あの何とも言えない感じの方がすごく好きだ。店に行ったら誰も店番していなくて、すみませーん、なんて呼んだりすると、はいはいはい、っつってテレビ見てたおばちゃんとかが出てくる。テレビではワイドショーがやってたりしてね。

そういう風に生活空間がちょっと見えるのがとても好きだ。俺はそこの生活空間に介入することは決して無い。見えるだけでいいのです。んで、まあこういう文章だと本当は「なぜ、それが好きなのか」みたいなのを書かなければならないと思うのだけれど、考えてみてもよく分からない。本当にただ、なんとなく好きなだけなんだ。