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『パリ、テキサス』を観た

映画

パリ,テキサス コレクターズ・エディション(初回生産限定) [Blu-ray]

実は観たことが無かった。名前も知っていたし、ロードムービーの傑作と言うのも知っていたし、観ようと思っていたから何年も経ってしまったのだけれど、何故だか後回しにし続けてしまい、今になってようやく観た。結果的に今までなんで観てこなかったんだ!と思うくらいの傑作だった。傑作だから、色々なところで語りつくされているだろうし、今さら俺が語るまでもないだろうが。

この作品は序盤、中盤、終盤で雰囲気が全然違う作品だな、と観てて感じた。序盤はジム・ジャームッシュの"ストレンジャー・ザン・パラダイス"にも通じるようなオフビートなロードムービーであり、中盤は一度は離れた父親と子が親子であることを再確認するようなエピソードが盛り込まれ、終盤は男と女の話。そして、それらが高いレベルで表現されていて、絡まり合ったような作品。

序盤のトラヴィスが飛行機に乗りたがらないシーンやレンタカーに妙な拘りを見せるシーン、そして何を聞かれても決して話さないところなどのオフビート感は個人的には非常に好み。中盤でのトラヴィスがハンターを迎えに行き、車道越しに一緒に帰るシークエンス。トラヴィスがゴミ箱に躓く所、二人の距離が縮んでいることが見て取れる所も俺は好きだし、何と言ってもやっぱり終盤ののぞき部屋でのトラヴィスとジェーンのマジックミラー越しに会話するシークエンス。男は女の事が見えていても、女は男の事が見えていない。そして、その逆もまたしかり。常に一方通行。男と女の関係性においてそれが全てであるかといえば、そうでもないとは思うのだけれど、間違いなくそういう部分もあるし、もしかしたらある人にとってはすれ違い、一方通行が全てであるかもしれない。そういった男と女の関係性をああいった形で表現したことは素晴らしいと感じる。

最後、トラヴィスがハンターとジェーンを愛しているにもかかわらず、いや、愛しているからこそ二人の元から去る、というシークエンスは今となってはありがちといえばありがちなんだけれど、何と言うか他のありがちなシークエンスとは重みが違うと感じたし、仕方が無いとは分かっているのだけど観てて悲しい。



ま、それはさておきジェーンを演じたナスターシャ・キンスキーが超キュート。まさに見蕩れる。マジックミラー越しに会話するシーンも良いのだけれど、ハンターと再開するシーンの時なんてめちゃくちゃかわええ。

あと、地味に好きなシーンとしてはキ○ガイじみたオッサンが高速道路の橋の上で叫んでいるシーンが挙げられる。ライクーダーの音楽も良い。