「ショーン・オブ・ザ・デッド」（2004）、「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン！」（07）のエドガー・ライト監督と主演サイモン・ペッグ＆ニック・フロストのトリオが、母国イギリスを舞台に描くSFコメディ。20年前、一晩で12軒のパブをめぐる「ゴールデン・マイル」に失敗したことが忘れられないゲイリーは、再挑戦するために当時の仲間アンディら4人を集め、故郷ニュートンヘイブンに舞い戻る。やがて5人は、町の人々の様子がおかしいことに気づくが、戸惑いながらもひたすら12軒目のパブ「ワールズ・エンド」を目指して飲み続ける。
"ショーン・オブ・ザ・デッド"、"ホット・ファズ"のエドガー・ライト監督とサイモン・ペッグとニック・フロストのトリオによる最新作。普段、映画は家で観るがさすがにこれは早く観たいなー、と思っていたので劇場へ足を運んだ。ネタバレになるかは分からないが、あんまり気にしない。
"ショーン・オブ・ザ・デッド"では本格的で王道的なゾンビ映画をコメディで仕立て、"ホット・ファズ"ではクローズドなコミュニティで事件が発生する、というこれまた王道的なミステリをコメディで包み込んだ。そして、この"ワールズ・エンド"は"ボディー・スナッチャー"を元ネタにした、未知の生命体との戦いを描く王道なSFをこれまたコメディで仕立てた作品。そんで、どれもこれも面白い。スイカに塩を振りかけると、その甘みが引き立つように、相反するジャンル同士を旨い具合に掛け合わせると非常に旨みが引き立ち、良い作品になる。
"ショーン・オブ・ザ・デッド"ではペッグ、フロストともにアホを演じ、"ホット・ファズ"ではペッグが常識人、フロストがアホ。んで、"ワールズ・エンド"ではペッグがアホでフロストが常識人だった。とはいえ根はバカ。
この映画を観た感想としては当然、ウィットな会話に富みまくった*1コメディとしてもめちゃくちゃ面白い。序盤の車を警官に止められるシーンは秀逸。また、地球外生命体に乗っ取られロボットと化した町(村?)の住人達に襲われ続け、戦い続けながらも最終目的地点であるワールズエンド(パブの名前）を目指すため、はしご酒をしまくるというアホな感じはたまらない。命よりも地球よりも目の前のビール。
一方でどうしようもないくらいの人間賛歌だなあ、とも思った。ジョジョじゃないけど。人間には好きなだけビールを飲むという自由もあるし、過去にしがみつく自由もある。どうしようもなく低俗な発言をする自由もある。なにより楽しい時間を過ごす自由もある。そういう自由があったり、ダメな部分があるからこそ人間を人間たらしめている。そういう感じ。まあ、何も考えずに笑いながら観るのがベストな映画だと思いますけどね。面白かった。
あと、挿入される音楽も気が利いていた。故郷の町に帰ってきた時に流れるTeenage Fanclubの"What You Do To Me"はシーンと相性が良かったし、何より夜のシーンで次のパブを求めて練り歩くシーンでのThe Doorsの"Alabama Song (Whisky Bar)"は少しオシャレで且つ、どうしよーもなくバカバカしさが溢れていて好き。
ちなみに劇場ではビールも何種類か売られていた。飲みたかったけれど、俺は酒を飲むとものすごくトイレが近くなるので断念。Bluがリリースされたら家で飲みながら観るしかない。エールビールをワンパイントグラスで。
余談
この映画のキャンペーンで渋谷にある12軒のアイリッシュ系のパブでのスタンプラリーが開催されている。何軒か回ればオリジナルグッズなどが貰えるみたいです。これは全て制覇するしかない、というわけで、中本を食べて腹いっぱいになった身体にビールを流し込んできた。今回行ったのはココ。
アイリッシュ系の音楽をやるアーティストが演奏をやってくれていて、俺が行った時もやっていた。初めて行った店だったんだけれど、なかなか好きな雰囲気でよかったなあ。The PoguesのライブDVDとかも流していたし。あと、何周年かの記念ポロシャツも販売していたんだけど、可愛かったからちょっと欲しいな、と思ったり。
普段ならたくさん飲むが、次の日があるしお腹もいっぱいだったので一杯だけ。キルケニーのワンパイント。久しぶりにキルケニー飲んだ。1000円。
4/24（木）は12周年記念だかでキルケニーとかギネスがワンパイント500円らしい。・・・行くか。
