そこに立っていただけ

昨日、仕事が終わったのがいつもに比べて遅めではあったんだけれど、仕事の後に国会前に足を運んだ。とはいうものの、別に集団に混じり、声を上げるわけでもなく、周囲をブラブラしたり、写真を撮ったりしていただけだ。まあ、あんまり良い写真を撮ることはできなかったんだけれど。

僕個人としては、集団的自衛権自体への是非というのは未だにハッキリと判断できていない。すぐに戦争になるとは思わないし、おそらくではあるけれども徴兵なんてことはほぼほぼないと考えている。また、過去と比べて脅威が大きくなっていることは否定できない事実だと思う。しかし、集団的自衛権の行使により、一般市民が争いごとに巻き込まれる可能性も否定できない。僕個人としてはそういうことに巻き込まれるのは御免こうむりたい。ただ、いずれにせよ違憲状態で採決が進めらようとしている状況は明らかに異常だと思う。国家権力を縛るべき憲法を権力側が都合の良いように解釈変更するというのはありえない。そういう点において、現時点における安保法案の成立については反対の立場を取る。また、そういう手法を取る与党は信頼していないけれど、同じくらいのレベルで野党も信頼していない。

まあ、そういう謂わばヌルい態度でヌルくそこに参加してみた。正確に言うと居合わせてみただけ。国会前の様子は大体、マスメディア越しに伝わってくる状況と同じような感じ。ただ、そこで僕は同化できない。イチから百まで主義主張が合わないというわけではない。また、敗北することが分かっている事だとしても、こういう風にデモの中で集団として声を上げるということは僕は非常に重要な事ではあるとも思う。だから、このデモ自体を否定したり、馬鹿にしたり、冷笑的な立場を取ったりはしない。が、僕はそこに混じることなく、声を上げることもなく、ひとりぼっちでブラブラと歩いて、写真を撮っていただけだ。デモの全体的な主張全てに賛同できるわけでもない。隣の人と僕とでは考え方も生き方も全然違うだろう。では、ここに行ったことが無駄であったかというと別にそうでもないとは思っていて、多分だけれど自分のスタンスとかを表明する上では行ってよかったのかな、と感じている。誰への表明か?自分自身に対して?そこに居合わせた人たちに対して?政府に対して?社会に対して?分からない。多分その全部だ。大きな声は出さずではあったけれども、そこに居合わせたことによって「俺はここだぞ」と表明できたのでは、と思っている。デモへの参加は自己満足だ、と言う人がいる。僕は「別にそうでもないんじゃない?」と思っていたんだけれど、いざ行ってみて「ああ、これは自己満足だ」と思った。他の人がどうかは知らんし、その是非も知らんけれど、僕はそう思うし、僕はそれでも良いと思う。

そんで、30分くらいブラブラしてから、渋谷の吉野家で牛丼を食べた。