Aphex Twin『Syro』を聴いた

Syro

 遅ればせながら聴いた。CDを買うかハイレゾ音源を買うか色々迷ったんだけれど、結局一番格安のiTunesで購入。Aphex Twinは『Richard D James Album』から入った。この名盤を初めて聴いた時はそれはそれは感動したし、エレクトロニカにドはまりしたわけじゃないけれど、いろんなテクノ/エレクトロニカのアーティストを探るきっかけにもなった。そして、『Selected Ambient Works』と並んでいまだに聴くアルバムでもある。ただし、すげえ思い入れがあるかというと、別にそうでもなくて「エイフェックス?まあ、普通に好きだよね~、いいよね~」という感じ。

 さてさて。これを書く前にこちらの記事を読んだ。

 こちらの記事に書かれている通り「あーエイフェックスだなーWARPだなー」という感じはするんだけれど、確かにすげえ素直な音だと思う。めちゃくちゃ変態な音を出しているわけじゃないんだけれど、ただ実直に仕事をして、本質的に良い音楽がこのアルバムには詰まっていると思う。パンチがある二郎ではなくて、すげえ丁寧に出汁を取った旨いラーメン(例えば、方南町の蘭鋳)、みたいな感じです。

 基本的なサウンドにはエイフェックスらしさ、みたいなものは聴いて取れる。だけど、なんだろうなー。ノームコアって概念があるじゃないですか。このアルバムの音楽は彼なりのノームコアなんじゃないかなー、と思う。彼にとって素直で普通の音楽を出してきた、という気がしないでもない。

 サウンド的には踊れるし、且つベッドルーム。結構、音楽って合うシチュエーション、合わないシチュエーションってあると思っているんだけれど、このアルバムはどんなシチュエーションにも合う気がする。お気に入りはやっぱりtr1の"minipops 67 [120.2][source field mix]"だなあ。これはカッコいい。