USインディが好きならBuilt To Spillを聴こう

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photo by marythom


タワレコあたりでUSインディ、USインディと騒がれ始めて、プッシュされだしてから、もう5年くらいたつだろうか。きっかけはやっぱりVampire Weekendが登場してから?いや、割と好きではあるけれど。トロピカルなリズムで少しニューウェイブっぽいというかリバーヴィーで透明感があるサウンドを持つバンドがUSインディである、とタワレコでは定義されているように思うけれど、個人的には「それってUSインディじゃなくね?」という気がしないでもない。まあ、あくまで俺定義の中では。

じゃあ、オマエの定義のUSインディってどんなんだよ!?と言われるとこれまた難しい。うーむ。Super Chunk*1とかModest Mouse*2とかDeath Cab For Cutie*3、、、かといって音楽性全然違うしなあ。Weezerだって言ってしまえばUSインディだし。うーん。デスキャブは違うと言えば違うかもしれないし。いや、違わないか。そもそも、オルタナと何が違うんだ?と言われたらそれはそれで難しいし。

ただ、これぞUSインディ!というバンドも中にはいる((あくまで「俺の中では」だけれど)。それが今回紹介するBuilt To Spill

Built To Spillとは

多分、日本ではそれほど知られてないバンドだと思う*4。能動的に音楽を沢山聴く人なら知っているかも、というレベルだし、新譜がリリースされても、大きな話題にはならない。下手したら、ショッピングモール内にあるような小さめのタワレコHMVじゃ試聴機にすら置かれないかもしれない。ファンとしては嘆かわしい事実ではあるけれど、かと言って音楽的にも派手な事やっているわけじゃないし、ロッキングオンの表紙なんて夢のまた夢だろうなあ、と言うことで諦めている。日本盤もリリースされないし。

メンバーはGt/Voのダグ・マーシュ(Doug Martsch)というオッサンが率いる5人組。ちなみにダグ・マーシュ以外のメンバーについては顔も名前も知らない。だって、情報出てこないんだからよー。まあ、Wikipedia*5とか見りゃあ、メンバーの名前とか乗っているけれど、多分読んでも明日には忘れている。

ちなみに↓がダグ・マーシュ。
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ハゲたオッサン。うーん、これじゃ売れないわな。雑誌のカバーも無理だ。しかし、彼は髪の毛と引き換えに音楽の才能を手に入れた。彼を中心に据えた、Built To Spillの楽曲は奇跡としか言いようがないギターアンサンブル、そんじょそこらの「僕捻くれたメロディ書ける」という奴らじゃ真似のできないくらいの捻くれたポップネス溢れたメロディを聴かせてくれる。ホント、神が髪と引き換えに才能を与えてくれたからこそ、我々はこんな素晴らしい音楽を聴くことができる。


彼らは何枚かアルバムをリリースしているけれど、その中でも特にお勧めなのが『There's Nothing Wrong With Love』『Perfect From Now On』『Keep It Like A Secret』の3枚。3枚もあるんかい、という感じだけれど3枚とも微妙に毛色が違っていて、それぞれBuilt To Spillの異なった魅力を発見できると思う。


There's Nothing Wrong With Love

There's Nothing Wrong With Love

2ndアルバムである『There's Nothing Wrong With Love』では彼らが持つ歌心、メロディーの素晴らしさを堪能できる。tr1の"In The Morning"から素晴らしいメロディとバンドアンサンブルを聴かせてくれる。また、"Car"はニールヤングのような抒情的なスローテンポのロックで、もうめちゃくちゃメロディが良い。そして、俺が一番好きなのは"Distopian Dream Girl"。この曲のメロディは本当に最高。ちょっと後期Pavementっぽくもあるんだけど、サビのメロディが良すぎて良すぎて、泣けるレベル。ていうか、この曲が好きすぎて昔自分がやってたバンドでちょっとパクったくらい。



Perfect From Now on

Perfect From Now on

3rdアルバムで且つメジャーから初リリースした『Perfect From Now On』は2ndとは違いギターアンサンブル、バンドサウンドの妙が前に現れた作品。その分、ポップさという面は少し失われているし、一曲一曲が少しばかり長い。けれど、このアルバムはバンドサウンドを聴いているだけで、楽しい。超楽しい。いちいちツボをついてくるかのように、演奏で良い具合に「外し」てくる。この「外し」というのが聴いていて、こそばゆい、というか気持ちいいというか。不協和音もしばしば登場するんだけれど、不快じゃなくてむしろ快感。そういった面がかなり計算された作品だと思う。



Keep It Like a Secret

Keep It Like a Secret

そして、4thアルバムの『Keep It Like A Secret』。この作品については前も書いたと思うんだけれど、これこそまさに大名盤。捨て曲無し、全て最高。2ndと3rdのメロディとバンドのアンサンブルがヤバいくらいに綺麗にハマった奇跡のような作品。あと、これも前に書いた気がするんだけれど、自分の音楽人生の中でも3本の指に入るくらいの名盤。口で説明するよりも聴け!と言いたい。とりあえず"The Plan"と"Carry To Zero"はインディロックの金字塔のような楽曲だと勝手に思っている。



とりあえず、この3枚はUSインディの音源でも至高の出来。他のアルバムもこの3枚には劣るもののとても良い。

いつか来日しないかなあ。ダグが飛行機嫌いで日本に来ないという話を聞いていたのでそれをすっかり信じ込んでいたのだけれど、どうやらオーストラリアとかではライブやった事があるみたいなので、単純に日本が嫌いなのだろうか?それとも、イベンターが「人来ねえだろ」みたいな感じで呼ぶのを避けているのだろうか?人が来ない事は無いと思うけれどなあ。知名度があんまり無いと言っても、全く無名と言うわけじゃないし、好きな人は好きだし。Ogre You Assholeのメンバーもインタビューとかで度々「好き」「影響を受けた」など言っていたし。

*1:このバンドは大好きなので、今度なんか書きます

*2:このバンドも超大好きなので、今度なんか書きます

*3:このバンドはまあまあ好きなので、今度なんか書くかは分かんない

*4:それこそ、yahoo!のトピックスになんかにこのバンドのニュースが掲載されたら、コメントは「で、誰?」の嵐だろう

*5:いつの間にか日本語版でも掲載されている。しかも充実している