there is a light that never goes out

ハードコア、と一口に言っても様々なサブジャンルがある。*1
ファストコア、クラスト、パワーバイオレンス、カオティックハードコア、グラインドコア、オールドスクールにニュースクールと挙げればキリが無い。
今回紹介するthere is a light that never goes outは(一応)激情ハードコアというジャンルに括られる。
つーか、激情系もカオティックの一部といえば一部だけど、そこを説明し出すと長くなりそうなので割愛。

激情ハードコアは英語で「エモバイオレンス」っつーらしいです。

エモバイオレンス(Emoviolence)はスクリーモ及びパワーバイオレンスから派生したジャンルである。エモバイオレンスという名称は、イン/ヒューマニティが冗談交じりに発言したものが広がったというのが通説である。日本ではしばしば"激情系ハードコア"と称される。

音楽的特徴としては、フィードバック奏法とブラストビートの融合、およびハードコア的な素早いテンポによる演奏、スクリーモ的なシャウティングなどがあげられる。Pg. 99やイン/ヒューマニティなどのバンドがこのジャンルの先駆けとされている。

スクリーモ的な要素の他に、変拍子の採用や、ハーモニカなどの特殊な楽器の導入、音量を抑えたボーカルなど、ポストロックとの迎合を図るバンドも散見される。ピアノス・ビカム・ザ・ティース、シティ・オブ・キャタピラー、フューネラル・ディナー、envyなどのバンドがその好例である。こういった音楽性から、たびたびポスト・ハードコアやカオティック・ハードコアと混同され、関連性が指摘される。

エモ - Wikipedia


日本で最も有名な激情ハードコアバンドはenvyだろう。
フジロック等、様々なイベントに出演していて、ちょっと音楽が好きな人ならば名前くらい耳にしたことがあると思う。
彼らのリリースした「君の靴と未来」というアルバムは未だに日本の激情シーンの金字塔といっていいと思う。
ただ、個人的に最近の彼らはあんまり好きではなく、去年あたりに行ったライブもつまらなかった。
とはいえ、黎明期から活動していた先人としてリスペクトする存在ではある。

そして、今回紹介するthere is a light that never goes outも黎明期に活動していたバンドだ。

there is a light that never goes outとは


there is a light that never goes out(以下、ゼアイズ)。
この名前を聴いてピンと来る音楽好きは多いんじゃないだろうか。
そう、the smithの名曲のタイトルだ。




おそらく、この曲からバンド名を取ったと思われるが音楽性は全く違う。
むしろ、正反対と言ってもいい。

音楽性については後々紹介するとして、ゼアイズの特徴はその活動形態。
自分たちの企画、ツアーではライブハウスを使用せず、スタジオや公共の施設などを借りて、自分たちがライブ出来る環境を作り上げる。
チケットはカンパ。
手作りのジン(小冊子)などで自分たちの主張/思想を発信する。
Tシャツやバッジなどのグッズも手作り。
完全なるDIY精神で活動していた。

ハードコアバンドとして理想的な活動方法だったのではないか、と思う。
彼らの音楽性のみならず、活動形態に魅せられた後進のバンドは数多い。

そんなゼアイズだが、既に解散してしまっている。
一部のメンバーはZというバンドを後に結成したが、そのZも解散した。

どんなん?


こんなん。
かっこいー。
音はクッソ悪いっつーか、ドラムの音しか聞こえねーけど。
耳で聴くな、心で聴け。


一聴するとただただうるさいだけで、ギャーギャー叫んでいるように聴こえるかもしれない。
だが、俺はこのハイトーンボイスがたまらなく好きだ。

もちろん、声だけじゃなく演奏全体が好きなんだけれど。
ただうるさいだけじゃなくて、静と動をちゃんと使い分けた曲構成が魅力。
あと、なんか妙なポップさ?和のテイスト?とでもいうんでしょうか、そういうところがなんかクセになる。

ただ、やっぱり第一印象はカオスそのもの。
そして、こんなにカオスでグチャグチャなのになんでこんなにカッコいいんだろうか。


ゼアイズはアルバム一枚とスプリット一枚リリースして解散してしまった。
そして、インディーで活動するバンドの宿命か、それらは廃盤になり、しばらくの間はオークション等で高値で取引されていた。
だが、何年か前に彼らの活動記録を収めたDVDとディスコグラフィがセットで発売された。
音源は一応cd-rで持ってはいたけれど、これが発売されると知った当時は凄く嬉しかったな。

SHOUTou [DVD]

SHOUTou [DVD]



実は俺自身はゼアイズは大学に入ってから先輩に教えてもらっていて、リアルタイムで見てきたわけじゃない。
ハードコアバンドをやっていたわけじゃないから、DIY精神の必要性とかもよく分からん。
ただ、彼らの音楽、活動形態、主張全てをひっくるめてゼアイズというバンドに魅力に感じた。


かつて、ジョーストラマー(the clash)はこう言った。
「パンクは音楽のスタイルじゃない、アティテュード(姿勢、態度)なんだ」

*1:そもそもハードコア自体がパンクのサブジャンルだが